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スマートフォンをはじめ、デバイスの進化がコンピュータエンターテインメント開発を加速する!(日経Linux 8月号掲載)


デバイスの進化が、応用可能な要素技術のハードルを下げた。家庭用ゲームで使われてきた技術をスマートフォンに活かそうというトピックも多くみられる。さらに、「プロシージャル技術」や「ディープ・ラーニング技術」をゲームにどう生かすのか。全方位から次世代のコンピュータエンターテインメント開発の道筋が示されるCEDECから目が離せない。


今年も日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「CEDEC 2015」が8月26日(水)から28日(金)までの3日間、パシフィコ横浜で開催される。国内外の家庭用ゲーム、スマートフォン・ゲームに代表されるコンピュータエンターテインメントの開発に関わる事例報告や、開発に応用や転用が期待される新旧さまざまな技術を、ゲーム開発者はもとより、CEDECとは一見縁遠いと思われる分野の技術者・研究者自らが講演や展示によって紹介する。時代の変化に合わせ、開発、運営、またコンテンツそのものを新しいレベルに到達させようという開催テーマ「Reach Next Level !」に基づく多彩な情報が、受講者たちの開発意欲を一層刺激することが期待される。

近年急速な進化を続けるスマートフォンだが、コンピュータエンターテインメントの開発者たちがいよいよスマートフォン・ゲーム開発に本格的に取り組める環境が整ってきたようだ。かつて、携帯ゲームやスマートフォン・ゲームは、家庭用ゲームのダウンサイズで事足りた時代があった。しかし、今後は、明らかにそうした開発手法との決別を告げる。年々向上するスマートフォンのハードやOSの性能が、これまで家庭用ゲームで培ってきたにもかかわらず使えなかった技術の応用を可能とした。その意味で、CEDEC 2015では、家庭用ゲームの技術をスマートフォンに活かそうというトピックが数多くみられる。

一方、デバイスの進化は、コンピュータエンターテインメントの開発に応用可能な要素技術のハードルも下げた。これまで開発に応用することが期待されてきた技術の一部には、「発想は素晴らしいが、今の技術ではクリアできない課題が多い…」と、実現の可能性が難しいとされることも多かった。しかし、現在では、実現の時期を予感できるようになり、さらには、明言できるまでになってきたという。すでに、タッチパネル技術の発達が、操作性を重視したコンテンツを生みだしているし、高精細な映像を撮影できるカメラや、高度な伝送技術、解析技術の応用により、映像を遠隔地にリアルタイムで送り、画面に反映させる技術も登場してきている。

Virtual Reality(VR:ヴァーチャル・リアリティ)の開発も注目される。VRのコンテンツ開発では、映像やサウンドをひとつずつ作ることはいかにも非効率的だ。そこで、活用が期待される技術が、シチュエーションごとの周辺環境やプレイヤーの動きに合わせて、映像やサウンドを動的かつ自動的に生成する「プロシージャル(動的生成)技術」だ。また、最新のAI(人工知能)研究の一つの成果でもある「ディープ・ラーニング(深層学習)技術も注目される。ある種の思考能力とも言えるディープ・ラーニングがエンターテインメントでどう活用できるか、遠くない将来の導入を見据えた動きはすでに始まっている。さらに、開発環境を支える、自動ビルド、自動テストなどを用いて、効率的で円滑な開発をしようという機運も高まっている。

CEDECでは、コンピュータエンターテインメントをどのようにビジネスとして成立させるかというマネージメント手法も論じられる。開発に関わる技術と、それを支えるビジネス、マネージメント。何をどう作れば人々に楽しんでもらえるか、ビジネスとして成立するか。全方位から次世代のコンピュータエンターテインメント開発の道筋が示されるCEDEC 2015の役割に大いに期待したい。

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