選んだ相手だけに目が合う平面ディスプレイ


講演形式
インタラクティブセッション
資料公開
予定あり
受講スキル

実世界での人とキャラクタのインタラクションに興味のある方

得られる知見

・普通の平面映像では同時多人数には正しいアイコンタクトが取れないということ

・適切な相手のみへのアイコンタクトがもたらす情緒的体験やスムーズなコミュニケーションの実感

セッションの内容

キャラクタを使った案内板、バーチャルアイドルのイベント、VTuberによるバーチャル店員など、スクリーンやディスプレイに投影されたキャラクタが複数人の観客を相手にインタラクションをとる場面が増えてきました。

実は、これらのスクリーンやディスプレイに表示されたキャラクタは

「目の前にいる複数の観客のうち、特定の人だけに目を合わせる」

ということができません。平面の顔画像に生じる「モナリザ効果」のせいで「全員が自分が見られたと感じてしまう」ためです。

そこで私達は「選んだ相手だけに目があったと感じさせる、モナリザ効果の起きないディスプレイ」を開発しました。ディスプレイを二層にして黒目とそれ以外を別々に表示するという単純な仕組みのため、安価ながら高解像度・大画面化が可能という特長を持ちます。

このディスプレイを使えば、画面の中のキャラクタが大勢の視聴者の中から相手を選んでアイコンタクトできるようになります。街中の案内エージェントが誰に応対しているかを視線で示すといったことから、VTuberがライブイベントで声援を送るファンに対し視線で応えるといったことまで、様々な応用が可能です。

三武 裕玄

東京工業大学

未来産業技術研究所

助教

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<講演者プロフィール>

2011年 東京工業大学大学院 知能システム工学専攻博士終了、同年より精密工学研究所(改組により現在は未来産業技術研究所)助教。
主な研究対象は感覚・運動制御・動力学のシミュレーションによるキャラクタ動作の自動生成手法、およびその応用。研究成果を応用したインタラクティブキャラクタとして「Kobito -Virtual Brownies」「AGC バーチャルコンシェルジュ朝比奈硝子」「東工大 × ソードアート・オンライン ユイに会いに行こう!」なども制作。

<受講者へのメッセージ>


アイコンタクトは、素早く、直感的で、感性に訴える強大な力です。「普通の平面ディスプレイではこんなにぐっとくる体験ができないなんて、もったいない!」と思ってもらえる展示にしたいと思っています。
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一居 太朗

東京工業大学

工学院 情報通信系

修士課程

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<講演者プロフィール>

東京工業大学大学院 工学院情報通信系 修士課程に在学中。
東京工業大学 工学部金属工学科卒業。学士(金属工学)。
現在はバーチャルリアリティ、特にキャラクタ表現について研究を行なっている。

<受講者へのメッセージ>

自分だけを見てくれた特別感で恋に落ちないよう、お気をつけください。
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立石 和也

東京工業大学

工学部 情報工学科

学部課程

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<講演者プロフィール>

東京工業大学 工学部 情報工学科 学部課程に在学中。
現在はバーチャルリアリティ、特にキャラクタ表現について研究を行なっている。

<受講者へのメッセージ>

あなたを見てくれなくて気を落とさないよう、気をつけてください
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長谷川 晶一

東京工業大学

研究院未来産業技術研究所

准教授

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<講演者プロフィール>

1997年東京工業大学工学部電気電子工学科卒業.1999年同大学大学院知能システム科学専攻修士終了.同年ソニー株式会社入社.2000年東京工業大学精密工学研究所助手.2006年9月博士(工学).2007年電気通信大学知能機械科准教授.2010年東京工業大学精密工学研究所准教授現在に至る.EuroHaptics 2004 Best Paper Award,EuroGraphics 2004 Best Paper Award,ACE2005, 2012 Best Paper Award,日本バーチャルリアリティ学会論文賞,貢献賞など受賞.キャラクタ動作生成,物理シミュレーション,ハプティクス,ヒューマンインタフェースロボット,エンタテインメント工学の研究に従事.

<受講者へのメッセージ>

バーチャルリアリティや、大型ディスプレイと身体認識を用いたシステムでは、キャラクタとプレイヤーの距離が近づき、プレイヤーの視線や仕草に対するキャラクタの視線や仕草による反応が大切になってきます。
キャラクタの身体の物理、感覚運動系、注意をシミュレーションし、キャラクタAIと動作をつなぐ新しいオーサリング手法を用いることで、無限のバリエーションを持つ自然な反応動作を、低コストで作ることができるようになります。ついにキャラクタモーションにリアルタイムシミュレーションが役立つ時代が来たと実感しています。ぜひキャラクタ達の反応をお確かめください。
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