CEDEC 2020 ビジュアルアーツ分野インタビュー

分野「ビジュアルアーツ分野」
担当者「麓 一博」


――1.分野の紹介をお願いします

:ビジュアルアーツ分野は、ゲーム業界を主としてはいますが、業界内だけにとらわれず、デジタルコンテンツの表現全般をと広く捉えて、コンピュータエンターテインメント全てにおいての新しい表現手法や制作フローを追求し、それに伴ってメディアやハードウェアなど多様化していくターゲットに最適な状態で対応する手法を取り扱うのが当分野となります。
 

――2.この分野における講演の特徴はなんですか?

:グラフィックスに関する新しい手法や表現の技術、ワークフローの紹介だけにとどまらず、ベーシックなイメージ作りの概念的なもの、ノウハウや知見の共有などが主なものとなります。なので、やっぱりセッション形式が多く、ついで分野内の各パートに沿ったラウンドテーブル等も最近では多い傾向にあります。
 

――3.昨今のトレンドはなんですか?

:最近ではUXの知見を共有し、求める傾向が多くただ確固たる正解や概念、ワークフローが画一していないというところもあり、ラウンドテーブル形式で「どんなことを試しでどうだったか?」を共有するという段階のようです。また、手法としてディープラーニングやAIを用いてアセット制作や管理をするというのも各社実験段階に入っていまして、実施してみての知見やノウハウの共有を求める声が強まってきていると感じています。 最後に最近だとリアリティキャプチャによるモデリングがより簡素なシステムや機材でできるようになってきていて、何処まで簡素で、そして何処まで使えるものがキャプチャできるのか?というのは興味がそそられる部分ではあります。
 

――4.トレンドを踏まえ、個人的にぜひ聞きたいトピックはありますか?

:上記トレンドとほぼかぶるのですが、やはりトレンドに沿った内容を個人的にもぜひ聞いてみたいというのはあります。 特にディープラーニングやAIを用いたアセット制作や管理手法はもっと事例が多くても良いんじゃないかと思っていますし、リアリティキャプチャを何処までインスタントに作成できるかというのも最終的には効率化に関係してくるので重要なファクターかと思っています。 やはり私の職種でもあるTAはそう言った手法や技術には貪欲に挑戦し続けなければいけないと思っているので、TAの公募ももっと増えると良いなと思っています。
 

――5.過去応募者からの反応はいかがですか?

:過去応募者というか登壇いただいた人からは、発表することで自分が求めていた知見を集めることができて、更に次への挑戦の足がかりになったとか、困っていたことと同じことに困っている人がこんなにも居たのか・・・と感動したなど、伺っています。
 

――6.応募を考えている方へのメッセージをお願いします。

:登壇することのメリットは前述のとおりで、「情報がほしければ発信する」ということが重要で、発信することで自分にタグ付けがされ、そのタグに応じて大小様々なコミュニティが形成されてより高みを目指せます。自分だけで仕事を抱え込んでいると色々思い悩んだり、これって正しいの?と思ったり、もっといい方法あるんじゃないか?と思うことも多いと思います。まずは発信をして、仲間を増やしてください。そこで集められた知見やノウハウは今後の個人や業界の発展に必ず寄与するものですので、是非まずは応募いただくことが第一歩なのかなと思います。
 

――ありがとうございました。