エンジニアリング

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公募 ENG    GD

キャラクターの人工知能のための戦術位置解析システム

日時 : 8月25日(木) 11:20~12:20
会場 : R501
形式 : レギュラーセッション
プラットフォーム : コンシューマ アーケード PC
難易度 : 甘口(学生含めどなたでも)
写真撮影 :
SNS公開 :
受講スキル
戦術位置解析システムは、2011年以降に開発され、キャラクターの人工知能技術として広まりつつあります。しかし、とても基本的な技術であり、特に前提知識を必要としません。ゲームキャラクターの知能に興味があれば、どなたでも受講して理解することができます。
受講者が
得られるで
あろう知見
(1) 戦術位置解析システムの原理と実装方法
(2) フィルタリングと評価点による選択システム(ユーティリティシステム)
(3) オープンワールドにおけるAIの作り方

セッションの内容
戦術位置解析システムは、ゲーム世界の環境の中で、キャラクターが状況や自分の特技に応じて、その時に最も適した立ち位置を見つけるための技術です。かつて、そのようなポイントは、事前にゲームデザイナーによって準備されていましたが、近年のマップのオープン化と複雑化によって、決められたポイントでの対応は困難となり、また手動では追いつけない量となり、「自動生成・自動選択・自動評価」を一つにパッケージングした「戦術位置解析システム」として結実しました。

この技術は、

(1)生成過程 探索したい領域に、均等にポイント群を動的生成する。
(2)フィルタリング過程 複数の条件フィルターによって不要なポイントを削除して行く。
(3)評価過程 最終的に残ったポイントを評価値を付けて一つ選び出す

からなります。この戦術位置解析システムによって、はじめて汎用的なキャラクター移動位置の動的な発見が可能になりました。
 本セッションは四部構成となり、まず「戦術位置解析の原理」を説明し、次に「戦術位置解析の歴史と適用事例」を紹介します。さらにオリジナルのデモを行い、最後にまとめとして、戦術位置解析を含めた「オープンワールドにおける人工知能の作り方」について全体設計を解説します。

講演者プロフィール

ジョンソン エリック

ジョンソン エリック
株式会社スクウェア・エニックス
テクノロジー推進部
シニアAIエンジニア
ジョージア工科大学で人工知能の修士号取得。CCP、LucasArtsでAIシステムやゲームプレイシステム等の開発に携わった後、2014年にSquare Enixに入社。現在KINGDOM HEARTS IIIにてAIシステムを開発中。
《講演者からのメッセージ》

現在のプロジェクトで戦術位置解析に使用されているAI技術について解説します。現代的な技術がいかにキャラクターAIの品質を向上させつつ開発のオーバーヘッドを削減できるかについて興味のある方に有益な内容です。

三宅 陽一郎

三宅 陽一郎
株式会社スクウェア・エニックス
テクノロジー推進部
リードAIリサーチャー
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。デジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、DiGRA JAPAN 理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』 翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)。ゲームAIラウンドテーブル・オン・ツイッターを主催。最新の論文は『デジタルゲームにおける人工知能技術の応用の現在』(人工知能学会誌 Vol.30, Webで公開)。論文、講演資料はブログを通じて公開している。「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」http://blogAI.igda.jp
《講演者からのメッセージ》

今年は4つのセッションを行います。
(1)最新のゲームAI技術である、戦術位置解析のセッション。こちらは、CryEngine ではTPS、Unreal Engine 4では EQSと呼ばれる技術で、キャラクターの周囲にポイントを生成して、そこから戦術に応じて求める位置を残すようにフィルタリング、評価するシステムです。
(2)群衆の人工知能。こちらは最新の成果を織り込んだ実践的なデモを行います。
(3)「人狼知能」コンテストです。こちらは昨年も開催しましたが、今年は人工知能学会30周年を記念してCEDECとのコラボイベントとして開催いたします。「人狼」におけるAIを対戦するエキサイティングな大会です。是非、予選にも参加してください。「人狼知能」プロジェクト http://www.aiwolf.org/
(4)パネル「人工知能の未来へ」全脳アーキテクチャ、人工生命を先導する研究者を招待し、ゲーム産業との接点を見出します。よろしくお願いします。   

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